投資はじめたてのひよっこはとにかく学ぶしかないということで、投資関係書籍を読んでいこうと決めて読んだ2冊目の「勝つ投資 負けない投資」。
著名投資家2人の共著による一冊。当然のことながら僕はこの二人を全くしらないのですが、実績を見ればすさまじいレベルにある二人。そんな二人の考え方の端に触れることができるだけでも相当な価値があるはず。
そう思って読んでみた今、結論を言えば「これという銘柄を見つけて、長期保有」
これが投資で財を成す鉄則のようで、もうこれは世界共通、不変のセオリーともいえるのかもしれません。
書籍「勝つ投資 負けない投資」について
著者 | 片山晃・小松原周 |
発売日 | 2015/5/15 |
ページ数 | 168ページ |
勝つ投資 負けない投資の概要
バイトで貯めた65万円を25億円にふやした究極の個人投資家と巨大ファンドを運用しているリーマン・ショックでも負けたことのない不敗の機関投資家が語る株式マーケットのオモテとウラ
勝つ投資 負けない投資の要点と感想
人それぞれのスタイルがあり、スタイルにはメリット・デメリットがある
2人の共著というそもそもの意味という点で、投資スタイルは人それぞれだという点があり、その違いを一冊の中で比較できるように共著となっているのだと思う。
実際、二人の細かい部分は違う。一人は個人投資家、一人は機関投資家。背景が全く違う。人の数だけ成功スタイルがあるとも書かれていた。
でも、共通している部分も多々ある。
そこは投資で成功するための原理原則と言えるのかもしれない。
長期投資が財を成す基本
投資で財を成す基本であり原則であり黄金則ともいえるのが、長期投資。
良い銘柄を見つけて、長く保有する。成功している投資家すべてが口にしていること。この二人も長期投資によって莫大な財を成しえている。
ではどうすれば?という点では若干の違いはあれど、株価は参考材料程度で実体経済に軸足を置いているという印象。
これからの社会を想像したり、会社の中身を多面的に評価したりして、投資をする。投資したら株価が少々変動しようが保持する。
株価という変化の激しいモノではなく、価値観や構造といった変化の激しくないものの評価として投資しているので、そこが変わらない限り投資先を変えたりしないという印象。
短期投資で勝つのは無理
個人投資家をされている方は短期投資で勝ってきた人だけど、機関投資家の方は短期投資に否定的。個人投資家の方も財を成したのは結局は長期投資にシフトしたからなので、短期投資を否定しているわけではないが、長期投資のほうが良いという結論になっています。
なぜ短期投資は無理なのかというと、市場はそんなに単純ではないから。ある指標で買うと良いとすると、みんながそれを採用し、結果儲けられなくなる。システムを組んでも、そのシステムのロジックと株式市場の動きが突然合わなくなることもある。すると大損をする。
確率に賭けるのが「投機」。
投機はいずれ平均的な数値に帰結するので、大儲けはできない。ということでした。
自分がやろうとしていることじゃダメだって話だな・・・。
投資で利益を得られる3パターン(+1)
投資で利益を得られる3パターンとして次の3つと1つが挙げられていて、これはとても面白いと感じた。
- 優等生が100点を取り続けるパターン
- 優等生が期待外れの点数を取ってしまうパターン
- 落第生が期待以上の点数を取るパターン
- (落第生が赤点を取り続けるパターン)
儲けるには3つのパターンのどれかを選択することになる。
このパターンで当てはめて銘柄を見ることが大切であることが書籍内では書かれているが、これを使いこなすためにはこの視点を自分の中に持つことが大切なんだと思う。
- その銘柄は優等生なのか劣等生なのか
これが見分けられない限り、分類も区別もできなくなってしまう。
例えば、次のような市場の論理から隠れている会社として挙げられているポイントは、ダメ会社を見分ける基準になるとも思う。
- 過半数の株を創業家一族や関係者が持つ
- ガバナンスが全く効いてない
- たくさんの余剰の現金を持ちながら
- それを投資するでも配当に回すでもなく放置している
- 事業戦略や将来の成長を投資家に約束していない会社
この特徴にあてはまるのは落第生の会社と言えるので、保有してしてはいけない銘柄だと言えます。
逆に伸びる会社の特徴として挙げられている次のポイントを持つ会社は優等生銘柄候補に入れても良いのかもしれません。
- 収益性が向上している
- 経営者がROEの向上を意識している
- 収益性の高いところへ投資している
- 多くの人を幸せにしている
- ガバナンスがしっかりしている
こういう会社は良いそうで、対して次のような会社はダメだともされています。
- 本業と全く関係ない事業を持っている
- 中期経営計画書に数値目標が明記されていない
- 自社ビルを建設する
- 本社の受付嬢がやたらと美人
- 社長が業界紙以外のメディアに出始める
こういった会社を見分ける基準を自分なりに常に整えておくことが大切なのかもしれません。
投資家そのものの人間性が問われる?
全体的に言えるのは、投資家そのものの勤勉性が問われるているという事かなと感じています。
理論株価の計算方法であるとか、まだまだ自分には理解が追い付かない話もあったが、これらが自然にできるようになるために勉強をする。
あらゆることに興味を持ち、学び続け、考え続け、これからの社会に必要だと思える銘柄に投資をする。そういう人間的な豊かさが中心にあることが投資では大切だという考え方なのかな…と。
そういう意味では今の自分はまだまだだな…。
てなわけで・・・
投資について何もしらない自分には学びの多い一冊だったと思っています。
投資で財を成している方はギャンブルに勝った方ではなくて、ちゃんと社会を見て、会社を見て投資をしている人なのだということを知れただけでも、大きな価値があったと感じています。
自分はそのどちらもまだまだできていないことが分かりましたので、自分をさらに成長させるべく、日々勉強を重ねていかなくちゃだな・・・。